Moebius画像モデルをブラウザへ移植
- •サイモン・ウィリソン(Simon Willison)は、0.2BのMoebius画像インペインティングモデルをブラウザで完全に実行可能にした。
- •本プロジェクトではClaude Codeを活用し、PyTorchモデルのONNX変換およびブラウザ環境での実行処理を行った。
- •1.24GBのモデルはWebGPUとCacheStorage APIを使用し、Chrome、Firefox、Safariで動作する。
2026年6月22日、ソフトウェア開発者のサイモン・ウィリソン(Simon Willison)は、画像内の欠損部分を補完するMoebius 0.2B画像インペインティングモデルを、WebGPUを用いてブラウザ上で直接動作させることに成功した。元来PyTorchとNVIDIA CUDA環境を必要としていた同モデルは、クライアントサイドでの実行を可能にするためONNX形式に変換された。この開発はAIコーディングエージェントであるClaude Codeを使用し、人間が手動でコードを書かずにエージェントへ指示を出す「バイブコーディング」ワークフローの一環として完了した。
開発プロセスにおいて、Claude Codeはリサーチの実行、Hugging FaceからのMoebiusリポジトリおよび重みデータのクローン、そしてWebインターフェースの反復的な構築を担った。エージェントはモデルの重みを1.24GBのONNXファイルへ変換し、Hugging Faceリポジトリへ公開した。ファイル容量に起因するパフォーマンス上の課題に対しては、CacheStorage APIを実装することで約1.3GBのモデルデータをブラウザ内にローカルキャッシュし、次回以降の読み込み効率を高めた。
テストの結果、本ツールはChrome、Firefox、Safariとの互換性が確認された。完成したアプリケーションはクライアントのみで完結するWebインターフェースとして機能し、ユーザーは画像のアップロード、削除領域の指定、ローカル環境でのインペインティング実行が可能である。今回の成果は、Claude Opus 4.8がモデル変換やリポジトリ管理、Webアプリのデプロイメントといった複雑な技術ワークフローを、人間によるソースコードへの直接介入なしに完遂できることを実証した。本プロジェクトは、現代のWeb標準を活用して大型AIモデルをブラウザ環境で直接実行する手法の実現可能性を示している。